月刊駄美術図鑑 2022

「猫かと思って近づいたらコンビニ袋でしたの木彫り」

子どもの頃に嫌いやった食べ物も大人になっていつの間にか
食べられるようになってるってあるね。
けっこう好き嫌い多い子どもやったけど、今は
だいたい食べられる。
いまだに苦手なんは納豆と牡蠣くらいか。

トマトも苦手やったんやけど、ケチャップとか
トマトソースのパスタは嫌いじゃないから、トマト味が
嫌いなわけではなかった。

ある日、居酒屋で冷やしトマトが丸まる1個出たんやけど、
皮がきれいにむいてある。
とりあえず食べてみるとこれがめちゃめちゃ美味い。
あれ?って感じ。
どうやらトマト全般が嫌いなわけではなく、
皮のパツパツ感と中のぐにゅぐにゅ感の“ギャップ”が苦手なだけやった。
そういえば煮込んだトマトとかも皮が柔らかくなってるから、
抵抗なく食べてたわ。

謎が解けたけど、わざわざ皮をむいて食べるわけではないんで、
今でも苦手ではある。

さて今月の作品は「猫かと思って近づいたらコンビニ袋でしたの木彫り」。
Twetterなどでたまに見る勘違い画像を木彫りで再現したもの。
久しぶりに木彫りをしてみて楽しかった。
自分では好きな作品ですが、他人はそんなこと知ったこっちゃないようで、
例によって展覧会でのリアクションは薄かったです。



「ネガティブ進化」

桜が満開だなと思っていたらすっかり散ってもう新緑の季節ですね。
初夏っぽい陽気で暑くなったりと急な気候の変化に対応しきれなさに己の歳を感じます。
初夏っぽいといえば家の植え込みや仕事の通り道の草っ原に虫が湧き出すことで特に
実感しますね。僕はカエルと亀を飼ってるのですが、今の季節餌にするダンゴムシを
採集するにはベストシーズンなのです。まだ蚊もいないし、朝は涼しいので早めに起きた
朝はピンセットで採るのが日課になってます。
植え込みの草をめくると、びっくりして丸まって防御体勢になってるのを捕まえるのですが、
最近どうも知恵がついた奴が増えたのか、さっさと早足で土や草の間に逃げ込むことを
覚えたようです。
動きも結構速くなっていて、もしかしたら僕の行為が彼らの進化を促したのでは?
とさえ思うのです。
このままいくと彼らは身を守る殻のせいで鈍重であると気づいてスリムな多足の虫に
なるかもしれないのでは?
これって新発見?などと妄想を楽しんでいます。
ブツブツ言いながら土に向かってる初老のジジイを近所の人はどう思ってるか?
とかも気になりもするのですが。

さて今月の駄美術は「ネガティブ進化」。
熊の尻尾が熊の頭になっていて、外敵を驚かして身を守ろうと進化した様子を
作ってみました。
昆虫なんかで尻尾や羽の模様がヘビに似せたのがいますね。まさにあれです。
しかし他人の威を借りてビックリさせてる間に逃げるってなんとも後ろ向きな気がして
「ネガティブ」などと名づけてたのですが、昨今の世界情勢から考えると複雑な
気持ちになりますね。
どっちがポジティブなのやら。。。



「はみ出しフタ押さえ」

若い人たちの事を「Z世代」って呼んだりしてるけど
時間はどんどん流れていくのにもう最後のアルファベット使ってもうて
この先どうするんやと。
こういう世代の人らは「バカルディ」とか「海砂利水魚」とか知らんのちゃうか。
それぞれ「さまぁ~ず」「くりぃむしちゅー」の旧コンビ名。
番組の企画で改名してそのまま定着してる。

俺らも改名した方がええんちゃうかと思うこともあるわ。
字面が固くてとっつきにくいし、もはや作ってるもんは現代美術でも
なんでもない。
名前が長いから「二等兵さん」と省略されて呼ばれるけど、
たまに「現代美術さん」と呼ぶ人もおって、
それって「お相撲さん」みたいやなと思ったり。。。

さて
今月の作品は「はみだしフタ押さえ」。
一旦目を離すと「うわあっ」となるフタの重しです。
麺部分はエポキシパテで作りましたが、色が似ていて
ええ感じやったんで着色せずに使ってます。
カップヌードルも登場したときからこのネーミングやから
かっこええし、わかりやすいし、ワールドワイドで通用してる。
「お湯入れめんめん」みたいなもっちゃりした名前やったら
すぐ改名してたやろなあ。



「縁起でもない物」

正月かあ、2022年かあ、と呑気に過ごしていたら2月も終了。
冬の五輪も終了。なんともうすぐ春ですね。ちょっと時間の経つ速さが
体感的にも倍速な気がします。今年は活動30周年ということで特にそれに
ちなんだ訳ではないですが色んなお誘いを受け今年はバタバタしそうな予感。
いやあ、有難い有難い。世間はコロナ禍とか他にもキナ臭い話題が多くて
気分も下がりますが、個人レベルでは前向きにより良い毎日を悔い無く
過ごしていきたいですね。とかなんとか、毒にも薬にもならない校長先生の
挨拶のような話をしてしまいました。50代も半ばになろうとしているのですが、
昔は年長者の言葉は経験の積み重ねから重いものになるのだと思っていたのですが
自身に関しては、まあみんな聞いてないしこんなもんでええか、とか非常に
内容の軽いものになっていて、60代70代の頃には赤ちゃん言葉よろしくバブバブ
言うてんのじゃなかろうかと思うほどです。他人の目を気にしない老人になるのかと
恐れております。

さて、今月の駄美術は「縁起でもない物」。縁起物の七福神の大黒天が大暴れして
小槌でビルをぶっ壊している名前の通りの作品です。人類はもう少し自戒をしないと
大黒さんがこんなふうに罰を与えにくるぞ!という警告の意味も込めた作品です。
なんか大袈裟に書きましたが、これも口から半分出まかせに近い言葉なのでヤバいです。



「プジョーは猫足」

俺は特徴が無いので周囲に溶け込んでしまって
家族ですら見つけられなくなるという話を
以前このコーナーで書いたのですが、さらに状況が
悪化していることがわかりました。

午後一で打ち合わせがあったので
先方の近くのマクドでお昼を食べることにしました。

「この番号札を持ってお席でお待ちください。」と言われ
店のほぼ真ん中に座って、店員さんがトレーを持って
出てくるであろう方向に22番の番号札を向けて座ってました。

何人か過ぎて、たぶんあれは俺のだなというトレーを
持った店員さんが出てきました。
セットのポテトをチキンナゲットに変更してたので
おそらくあれが俺のです。

しかしなかなか運ばれてきません。
なぜかその店員さんは俺の番号札を見つけることが出来ないのです。
店内をひと回りし、店の中心部にいる俺の真横に立って
店内をぐるりと見渡しています。

さすがに「22番ですか?」と声をかけましたが、
俺そのものだけでなく、俺の持っている番号札まで
周囲に溶け込んで見えなくなるようです。怖いですね。
この能力を使って、スパイか探偵になった方がいいんじゃないかと
思ってます。

さて今月の作品は「プジョーは猫足」。
先日の個展「猫展」に出展したもの。
昔から「プジョーは猫足」と言われているので、そのまま
つくってみました。
フランス車のしなやかで強靭な足回りをそう表現するようです。

個展の中でも他の作品にまぎれて見えなくなっていたのか
特になんの反応もありませんでした。



「アメリカナイズされた招き猫」

新年明けましておめでとうございます。昨年は東京五輪に対抗して京都五輪を
開催、猫ブームに便乗して「猫展」を行うなど、コロナ禍の下でしたが作品発表を
行うことができました。
勝手に対抗、便乗、と動機が不純なのは毎度のことです。
今年はいよいよ活動30周年の年。何かやりそうな雰囲気は醸し出そうと
しているのですが、実は20周年、25周年の時のようにガッチリ予定が
入っている訳でもなく、年相応にぼちぼち何か出来たらなあ、と思っている
次第です。これやって欲しい!とかのリクエストがあれば是非是非。

20周年の時などは複数のイベントを進めたのですが、最近では作品を複数同時に
作るのも億劫になって半分作りかけて放置することも増えてきました。
昨年の「猫展」の時などは振動モーターが必要になりほぼ同じものを複数発注したり、
人感センサーを使いたいな、と思い購入するもどう接続して良いかわからず諦めたり。
これはもう無駄遣いする老人ですな。という訳で今年の目標は「無駄遣いをしない」
です。小学生かよ!

そんな今年初の駄美術「アメリカナイズされた招き猫」。「おいで、おいで」でなく
「来いよっ!」と招くフランクな招き猫。この招き猫のように今年は気さくに、
大雑把に行こうと思います。
本年もどうぞ宜しくお願いします。